愛とは時間をかけること

プレゼントには時間を

帰ってくる時間帯が違う息子と夕食をとることが少なくなって「この家族は崩壊しかかっているわね。一緒に顔を会わせて食べることがないのですもの」とさわぐ私に「たった二人だけで?」と息子は怪訝な顔。夫が日本に単身赴任していて、娘は大学で家を出ているから、今家にいるのは息子と私と猫だけなのだ。

でもだからこそと思う。愛とは時間を共有することではないだろうか。バケーションだって、このごろ、娘と息子は両親の私達と行こうとはしない。「ハワイ?二人で行ってくれば?」という感じだ。ついにこの前のクリスマスには「何もプレゼントはいらないから、あなた達の時間をちょうだい」と申し出た。それも初めは二日くれるはずだったのが、子供達のスケジュールとあわなくて、一日だけになった。

一日だけで行ける所となると限られる。近くて手ごろなハーストキャスルに日帰りで行ってきた。それでも子供達はお義理という感じだった。この年代、友人とでかけることの方が楽しいのだろうし、それが普通なのだろうが。

もう寝ついただろうと三冊本を読んできかせた後、そーっと足をベッドの外に出そうとする瞬間、娘がだきつく。まだ、寝ついていなかったのだ。一緒に本を読みきかせていた息子の方はもう寝息をたてているが、どこの家をきいても、一番目の子は親が神経質に育てるせいか、寝つきも悪い。そんな毎晩、速くこの子達が大きくなってくれたらと、願ったものだ。それから、片付けの待っている台所に走り、後はくたくたになって寝る毎日だった。

「今が一番良い時よ。大きくなると、肉体的な大変さではなくて、精神的に大変になるから、充分子育てを楽しんで」と先輩達に言われても、疲れて楽しむどころではなかった。 その上、二十三ヵ月違いの娘と息子の世話で、家の中もひっくり返り、自分の時間など、到底なかった。

いつになったら、家もきちんと片付け、自分の時間ができるのだろうと思ったものだ。そのかわり、母の日だけは夫に子供の面倒を頼み、友人の母親達によびかけて母親達だけでお寿司を食べにでかけたものだった。

子育てのモットー

私は子育てのモットーとして、「愛とは時間をかけること」という信念を貫いてきたつもりだ。必ず、毎晩、本を読んできかせたし、子供が小さい時にはなるべく外で働かないですむようにしていた。

ベビーの時にはマミーアンドミーのクラスに一緒に通い、少し大きくなった時には毎日、他の子供さんを招き(学齢に達した時には英語教育のため、なおさら、アメリカ人の子供達を毎日のように招いた。)プリスクール時代には一週間に一度はプレイグループを作ってあちこちの公園にお昼をもってでかけて行った。

ほかのお母さんと子育てのことを話しながら、子供達を遊ばせた。その公園でたまたま出会って新しいメンバーに加わった母子もいて、だんだん、大きくなっていき、そのグループで、お誕生会やクリスマス会をしたりした。

家は汚すので、もっぱら、公園が私達の会場だった。雨のないカリフォルニアだからできること。三つくらいの市にわたって公園巡りをしていたので、公園通になった。今、娘が大学で、そのころの幼馴染と再会したりしているのも面白い。

娘が小学校一年生の時、母の日に書いた作文に「私のママはいつもお弁当をこしらえて、パークに連れてってくれます。」というのがあって、子供心にそのことが楽しいこととして、残っていることがわかった。時間をかけて育てられた子が、(それは愛情をかけられたということと同じだと思うのだが)、曲がるはずがないと信じて育ててきた。自動車での送り迎えの中での会話も楽しいものだったが、子供二人が運転するようになってしまった今は、その楽しみもない。

あのくらいまとわりついていた子供達だったのに。お休みの日にブランチに行ったり、ディナーに行ったりする時が、今の私達家族の時間を共有する唯一のイベントだが、夫が日本から一時帰国し、娘が大学から帰るという時はなかなかみつけられない。

息子に一緒に食べにでかけないかと誘っても「ご飯つくるのがいやなの?」などといわれると、今しか手料理を食べさせる時はないと奮起してしまったり、彼の勉強が大変だったりで、なかなか外食もままならぬ。だから、言いたい。今、子育ての最中の方、とくに働いているお母さん方は、その分余計に週末、ぜひぜひ、子供さんにできるだけの時間をかけてあげて欲しい。子供が親といてくれる時期はあっという間に過ぎ去ってしまうから。

いつか自分達が家庭をもつようになると娘も息子もまた両親と一緒にすごしてくれるようになる時がくると、人生の先輩達は言ってくれる。

でも現在、私と時間を共有してくれるのは猫だけ!!

竹下弘美

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