今が好き、いつでも今が好き、天国から出て来ても? 

天国のようなシニアの村

ロサンゼルスに引っ越してくる前の三年間、私達は、サンフランシスコから内陸に入った老人村に住んでいました。

55歳以上の人でなければ住めないシニアばかりの村で、入口にはゲイトがあって、中の住人が門番(?)に来る人の名前を報告していないと入れないようになっていて安全でした。

そこには一万人もの住人がいましたが、お裁縫室、大工室、陶芸クラブ、ブリッジクラブ、絵画クラブ、ありとあらゆる趣味のクラブや、プールも3か所、もちろんゴルフ場、テニス場もありました。中でも私のお気に入りは映画館でした。

割とすぐ、新しい映画を上映してくれていました。しかもそれらはすべてホームアソシエーションフィーの中に入っていましたから無料でした。

お買い物に行くバスも無料でしたから、運転しなくなっても生きていける所でした。カリフォルニアであるにもかかわらず、落葉樹が多くて紅葉が美しく、まるで天国のような所でしたから、私達はそこが終の棲家となると思っていました。 

慶子さん

そこで知りあったのが当時80歳近い日本人の素敵な御婦人、慶子さんです。

慶子さんはお外様ではなく、家にいて、もっぱら水彩画を描いたり、一人で、持っている洋服でファッションショーをしたりして時間を愉しんでいる方でした。

いつも訪ねると、コーヒージェローがあり、御馳走してくださったものです。すでにフィリピン人のご主人もまた三人の息子さんのうち一人を亡くされていましたがとても明るい方で、すぐ意気投合しました。

ところが、私達も三年経って娘のいるロサンゼルスに引っ越し、その後、慶子さんとは音信不通になりました。ところが二年経って最近お電話があり、ロサンゼルス近郊に引っ越して来たというではありませんか。

前の老人村の近くにいた次男の方が癌で亡くなり、独身の三男の方がロサンゼルス近郊に住んでいるから引っ越して来たということでした。

再会

夢のような再会でした。まさか北カリフォルニアに住んでいた彼女が南カリフォルニアに引っ越して来るということは考えられないことでした。

今度のお宅を訪問しました。今度は老人村ではありませんが、シニア向けのアパートでした。綺麗な部屋の中には洗濯機もドライヤーも備え付けられている一寝室のお宅でした。

テーブルの上には描きかけた鯉の水彩画がありました。そしてこの写真の絵です。桜が咲き誇っている絵のそこにピッタリの言葉です。

「これ、見て、今が好き、明日になってもその時が好きなの」明るい慶子さんの声です。

二人でどんなにあの天国のような村が良かったかの思い出話に花が咲きました。でも二人とも「今が好き」と言えるのは幸せなことです。あの天国のような町から出た今でも、また彼女は息子さんを失ったのに、それでも今が好きと言えるのです。

なんと幸せなことでしょう。前にも書きましたが、今日生かされているのは神様からのプレゼントです。

「今が好き」

竹下弘美


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2 Replies to “今が好き、いつでも今が好き、天国から出て来ても? ”

  1. 新年にふさわしい「愛のひとさじ」に、心の目が開かされた思いです。「明日こそはきっと….」と言う思いで生きている今日この頃の私にとって、「今が好き」と言えることのすばらしい姉妹のことばに、「ハッ!」とさせられました。今日から私も「今が好き!」と言うように心がけようと思います。

  2. 良かったー
    記事が少しでもお役にたてて、メッセージがないブログは書きたくないので、嬉しいです。

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