反対された結婚の実現〜長い人生の中では夢のような事があります(その2)

クチナシの匂いから

むせるような香しい匂いのクチナシの花を友人から手に入れ、あっ、と気が付きました。

コロナ騒ぎで、日が経つのが速く、カレンダーに前ほど注意することがなくなっていましたが、気がつきました。私達夫婦の結婚記念日が来るではありませんか。

かつて私もジューンブライドでした。結婚式であまり良い写真が撮れなかったので、その3日後、実家の近所のお宅のお庭がきれいだったので、そこで、もう一度、母に夫と私の写真を撮りなおしてもらいました。

ブーケがなかったのでそのお宅の庭にあったクチナシを切って、にわかブーケにしたことを思い出したのです。もうセピア色の昔々の話です。

先回、私の今までの生涯で夢のようなことが三つあったと書きました。

そしてその一番目が、二人の母校のチャペルで白いタキシード姿の夫を結婚式の始まる前に見た時でした。これは現実ではない、夢かしらと思いました。

というのは、夫の方も私の方も二人の結婚に猛反対だったからです。その当時大学で知り合った夫は七歳の時に政治家であった父親の仕事で、家族で韓国から日本にやってきた韓国生まれの男性でした。

ゼミで一緒だったことから、初印象は両方とも悪かったのに、全然違う世界だったからか、プラスマイナスが引き合うように惹きよせられていきました。

いわゆる若気の至りというものでしょう。まったくアウトローの世界の彼と、敷かれた道を確実に歩んでいた私とは正反対だったのです。

周りの反対

大学を卒業するころになってお互い結婚するならこの人と、という気持ちになっていきました。でも現実は韓国籍で韓国名の夫には就職口がみつかりませんでした。

彼の父親が政治家だったので、いろいろ知人を通じて日本社会で就職口を探しましたが、すでに父親は他界していたこともあり、行きたかったジャーナリズム界でも試験は受けさせるが、採用の対象とはしない、というような応対でした。

だいたい、波乱万丈の人生を夢みていた私に輪をかけたのは大学で学んだ「自分の人生は自分の手で切り開く」ということの実現でした。私はすでに出版社に就職。

彼はなんとかアルバイトのような仕事をしながら、二人でお金を貯めました。両方に反対されることはわかっていたので、密に計画を練りました。

ちょうど、カリフォルニアに家庭をもっていた彼の姉が、米国留学をして、売れる技術を学んで日本に帰ってくるようにしたらどうか、自分達が保証人になると言ってきてくれました。

そこで、その話が具体化するまで両方の親達には知らせませんでした。

そして、ある日、彼が我が家を訪ねてきました。両親は寝耳に水の話でびっくりしました。銀行員だった堅物の父は「娘に対するご好意はありがたいけれど、この話はなかったものとしてください」と慇懃に彼に断ったのでした。

その日から、我が家はいままでの暖かい雰囲気が全く冷たいものに変わりました。母は私が会社から帰ると、いつも暖炉の前で泣いていました。(今思うと、きっとこれは彼女のお芝居だったと思うのです)

我が家の反対は、なにもよりによって日本で生きていけないような韓国人と結婚することはないということ、彼の方は韓国の由緒ある家の長男が日本人と結婚するということはあるまじきことというのでした。

仲介に立ってくれた親族

そのような不快な日々が毎日続きました。もしあの時、私が既にクリスチャンだったら、きっとあれほどまでに親を泣かせることはしなかったと思います。つまり、親の反対を押し切ってまで結婚しなかったことでしょう。

ありがたいことにそのような中で、私達二人が諦めないことを知った彼の方の姉や義兄、私の姉夫婦などが、なんとか、親との折り合いがつくように陰で奔走してくれ、親たちとの間をとりもってくれたのです。

長くかかりましたが、両方の親たちをいやいやながら説得しました。結婚式の前の晩、遅くなってもなかなか帰って来なかった父を待ちながら、結婚式のブーケを作っていて、寝不足だった私は、結婚式の朝、チャペルでタキシード姿の夫を見た時に夢ではないかと思ったわけです。

父は翌日の事を憂慮して私の顔を見辛くて帰宅しにくかったのでしょう。

「自分の人生は自分で切り開くもの」そして「波乱万丈な人生を送りたい」という夢を許してくれた父も母ももう亡くなりました。

人生はなんと短く、そして哀しく、また、楽しいものでしょう。波乱万丈な人生万歳です。

竹下弘美

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“反対された結婚の実現〜長い人生の中では夢のような事があります(その2)” への5件の返信

  1. 写真からも匂って来るようなクチナシが結婚式の思い出の花・・なんてステキなんでしょう! 御両親の反対があったから今のお二人なんでしょうねー❣️

  2. 結婚生活 添い遂げるって大変 でも女って苦労して結婚して
    毎日一緒に分け合って食べて来た思い出が有ればある程 『もう嫌』って思っても 思い出大切に思い出す事が出来るから 何とか乗り越えられる気がします。
    クチナシのブーケ 旅情の映画で キャサリン ヘップバーンが
    出発する汽車の窓から手を伸ばして クチナシを受け取るのが
    私には憧れの花です。
    そんな素敵な花のブーケ 素敵でしたね

    1. 私の子供の時からの夢は くちなしの花の垣根がある庭に住みたい事でした。此方に来て何度もトライしても上手く育ってくれません。
      ひろみさんと御主人様の素敵なラブストーリーの中には くちなしの花が甘く思い出の中に匂いただよっているのでしょうね。

    2. 美智子さま

      映画好きなのに、それにキャサリンヘップバーンもすきなのにそのシーン、脳裏に残ってなくて教えてくださりありがとう。

      それから思い出があるから乗り越えられるってそうかもですね。

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