子どもに贈る愛の具体化―幸せを込めて詰めるケアパッケージ

通信販売で買った靴の会社

通信販売で靴を買った。その箱を開いたところ、中蓋に「Packed With Happiness(幸せを込めて詰めました)」と書いてあった。外側ではなく、開いた時にそれが見えるという気遣いに感心した。

その上「まず、家の中で履いてみてください。もし自分の足に合わないようで、返却したかったら、弊社のウェブサイトの項に行き、返送元払いのラベルを印刷して返送してください。元の状態であったら、一年以内、こちらで受け付けます」と書かれた紙が入っていた。

今までこんなサービスをアメリカで受けた事はない。なにしろ「Packed With Happiness 」の言葉だけでも嬉しくなって、「これはとても良い効果でした」と、この会社に伝えようとウェブサイトを探してみて驚いた。

毎日この会社での新しい事がYouTubeに載っている。フォーチュンマガジンで、一番働きやすい会社百社の中の二十三番目にランクされた会社だとわかった。社長は、起業した時は三十代、現在はまだ四十代。どのようにしてこの会社が設立されたかというと、次のような事だった。

アメリカ社会では、ショッピングモールに行って気に入った靴が見つかっても、サイズや色がない事がしばしばだ。それで、ウェブサイトですべて解決できるように、まず良質な靴の販売から始めたのだという。そして洋服やバッグにも範囲を広げた。徹底的な顧客サービスをモットーとしている。これは今までのアメリカ社会ではなかった事だろう。

会社のモットー10箇条

会社のモットーとして次の10箇条が挙げられていた。

  1. すごいと驚かれるようなサービスをする。受け手がポジティブな印象を受けるよ
  2. うな常識を超えるサービスをする。
  3. 現状に甘んじることなく、常に変革を求める。
  4. 楽しさを創造する。少し変と思われるくらいでもユーモアを持つ。
  5. 冒険心と創造性に富み、広い心を持つ。人は間違いによっていろいろ学ぶので、
  6. 間違うことを恐れない。将来にそれを生かせればよい。間違いによって新しい事を学ぶ。
  7. 成長を追求し、学ぶ。
  8. コミュニケーションによって広い正直な関係を築く。信用の上に強い人間関係は築き上げられる。
  9. ポジティブなチームの建設と家族的なスピリット。良いアイデアはふつう、底辺から生まれるので、お互いにケアし合い、同僚以上の関係を築く。
  10. 最小限度で最大効果を出す。オペレーションを効率よくする事。すばらしいサービスの会社と言われるだけでなく、世界一番の会社を目指す。
  11. 情熱を持ち、確固とした信念を持つ。
  12. 謙虚さを保つ。会社が過去にいかなる業績を上げようとも、チェンジは常につきものであるあら、何が起こってもお互いを尊重し合い、成功した際には、おごらず静かに、仲よく、個人なりチームの成功を祝う。

と書かれていた社長は、お客にも従業員にも幸福をもたらす事を使命としていると書かれていた。なるほど、会社の成功はこの心構えにあるのだろう。あの箱の言葉と返却のポリシーにさえ、すごいというサービス精神を感じたのだから、その会社のウェブサイトを毎日見ていると、そこで働くのが本当に愉しいという事が手に取るようにわかる。

このように楽しい雰囲気の中であの私の靴はパックされて送られてきたのだ。「Packed With Happiness」だ。この事から私達もちょっとの気配りで人に幸福をもたらせる事に気づかされた。

ケアパッケージ

そこで、私と夫はこの箱の言葉が気に入って、この箱を再利用して息子にケアパッケージを贈る事にした。中身は息子の好きな、おせんべいや、中華三昧などだ。中身よりも送料の方が高い。

ニューヨークの息子のアパートのそばには、日本の食材店が歩いて行ける距離にあるし、独り立ちしている彼の方が財政は豊かなのだが、それとはまた話が違う。親が息子に愛を示して、彼が愛されている事を実感し、幸福感に浸れれば、中身も送料も元を取るではないか。

アメリカに来たばかりの四十年以上も前、母は日本から毎月のように乾物類や新聞まで船便で送ってくれていた。受け取る度に母の愛を実感したものだ。いくつになっても、誰かにケアされていると感じるのは嬉しい事である。

一週間経って、「パッケージありがとう。もう食べ始めてる」と息子からメールが来た。

「箱の中蓋を読んだ?Packed With Happinessよ」と恩に着せた。

竹下弘美

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5 Replies to “子どもに贈る愛の具体化―幸せを込めて詰めるケアパッケージ”

  1. 弘美様
     私も母がずーっと、ずっと小包みを送ってくれていました。
    自分で郵便局に持っていくことが出来なくなったら、嫁に運んでもらって送ってくれていました。特にお茶の葉は毎回入っていました。それでいれたお茶の美味しかったこと。やはり直輸入は美味しいなと思っていたけれど、それは「Packed with Happiness」だったからなので少しね。息子さん、お煎餅や中華三昧など、どんなに美味しかったことでしょう。
      微人

  2. いつも心に残るメッセージ、大事に読ませて頂いています。すばらしい会社の社長ですね!どこかの会長さんにも読ませて上げたいです。? 我が社の発送係は「Packed with Mistakes」で毎日のように発送ミスの連続です。
    本当に素晴らしい会社ですね。とても勉強になりました。

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