「コップに水が半分も入っている」と考える、ポジティブシンキング

カウチポテト

夫の誕生日に息子が大きなサイズのテレビをプレゼントしてくれた。ところがこれは災いだった。テレビ好きな夫はこの世の天国とばかりに、テレビをつけっぱなしでその前のソファーに座り続けるようになった。

別にテレビだけを見ているわけでもなく、コンピュータに向かってメールをしたり、調べものをしたり、原稿を書いたりしている。「見ていないなら消したら?」と言うと、ながら族で育った彼は何か音が鳴っていないと集中できないのだという。これでは、運動不足で不健康だ。早死にするのでは?

この風景はいつも訪ねる老人ホームの風景となんら違わないではないか。ただ彼らは車椅子に座っているが。「車椅子になってからできることをしないで、今は足が動くのだから、せめてテレビを見ながら、トレッドミルで歩きながら見たら?」と嫌味を言わざるをえなかった

そのトレッドミルも、凝り性の夫はかなり良いのを購入したのに、ほとんど使っていなかった。

この言葉が利いたのか、時々、トレッドミルをするようになったが、それもほんの十分しかしない。ほとんどはカウチポテトだ。その姿を見るたびに憂鬱になっていたところにタイミングよく次のようなEメールが回ってきた。

メールの内容

「ご主人がカウチポテトでも感謝すべきです。バーで飲んでいるわけでなく、家にいてくれるのですから」そう言われれば一理あると、続きを読んでみた。そのメールにはありとあらゆることがポジティブに捉えて書かれてあった。

「奥さんが手抜き料理しかしなくても感謝すべきです。家にいてくれて他の男性の所に行っているのではないのですから」これは夫にきかせたい。多いに利用しよう。

「ティーンエイジャーの子供が、皿洗いをさせられると文句を言っても感謝すべきです。外にいって悪さをしているわけではないのですから」

「多額の税金を払わなければならなくても感謝すべきです。仕事があったからこそです」「太って洋服が着られなくなったからといって文句はないでしょう。健康で食べることができた証拠です」

「お客様を招いた後、片付けが大変だといっても、それは来てくれる友達がいたからです」

「光熱費が高くても感謝すべきです。それだけ暖かくすごせたのですから」

「芝刈りをしなければならなかったり、窓をクリーニングしなければならなかったり、屋根を直さなければならなかったり経費がかかっても感謝すべきです。家があるからです」

「駐車場で停めるスペースが遠くにしかなくても感謝すべきです。ハンディキャップ専用の所ではなく、歩けるからです」

「洗濯物の山にも感謝です。それだけ着る物があるからです」

「政府の政策が気にいらないという意見が多くても感謝すべきです。私達には言論の自由があるからです」

「朝、目覚まし時計がうるさくても感謝すべきです。聴力が衰えていない証拠です」

と、際限がない。まさにポジティブシンキングだ。

半分水が入っているコップを見て、「この水は半分しか入っていない」とネガティブに捉える人と、「半分も入っている」とポジティブに見る人とがいるということはよく言われることだ。

田原米子さん

鉄道自殺して生き残り、両足と片腕をなくし、片方の手に三本の指しか残らなかった田原米子さんという方にお会いしたことがある。自殺未遂の後、クリスチャンになり、考えがすっかり変わった。

「指が三本も残っている」とその指でお裁縫をし、料理をし、長い髪の毛まで上手に結っていた。

また右手が使えなくなったピアニストの館野泉氏は左手だけのピアノ演奏に挑んでコンサートをしたくらいだ。こんな言葉もある。「A弦が切れたら、残りの三本の弦で演奏する。それが人生だ」

最近五十七歳の奥さんを亡くされた方にお会いした。とても仲の良いご夫妻であったから、その痛手は大変なものだったと察する。ところが彼曰く、
「もう少し生きていてほしかったと思う反面、あと十年先だったら、僕はもう立ち直れなかったと思います。今だったからこそ、まだ仕事があるし、やることがあるから、気も紛れるのですけど」と、悲しみの中にも奥さんの死をポジティブに受け止めていた。

Love, well. Laugh often & Love with all of your heart
最近のテレビ調査での結果、物事をポジティブに捉える人の方が、長生きするという結果が出たそうだ。ずるずると長生きをするのが良いとは言えないが、そのような人は長生きをするだけでなく、かつ楽しく暮らすのだろう。

このメールの最後は“Love, well. Laugh often & Love with all of your heart”で締めくくってあった。人生をポジティブに捉え、笑い、明るく過ごしたい。同じ一生なのだから。

でも息子がテレビを買ってくれたために、夫がテレビの前に座わりっきりになり、早死にすることになるとしたら、これをどのようにポジティブに捉えるか。

竹下弘美

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One Reply to “「コップに水が半分も入っている」と考える、ポジティブシンキング”

  1. 弘美さん
     ポシティヴシンキング、いちいち、成程、ごもっとも、の連続でした。
     カウチポテトの夫も、夫がいらっしゃるからこその事ですもの。
    田原米子さんの事、随分前にお聞きしたことがあります。その時にポシティヴシンキングなるものに初めて出合ったようなきがします。
    涙をポロポロ流して感動したのを覚えています。
    ポシティヴシンキングで生きて行ったら、随分生きるのが楽になるでしょうね。
      微人

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