奨学金

スカラーシップ情報

こちらの大学はお金がかかるといつもきかされてきた。そのために奥さんが働きだしたとか、子供二人が同時に大学生になる時があるから、経済的に大変だとか。実際はかえって子供二人が大学生だと、大学からの奨学金やファイナンシャルエイドが出やすかったり、ずいぶん、政府が助けてくれるようだ。奨学金に関していえば、高校からのニュースレターなどにもいっぱい出ているし、最近ではリストをインターネットで探してみるとかなりあり、しかも自分の条件を入れてクリックするとその人にあったスカラーシップを割り出してくれる。

とはいえ、競争率はかなり激しい。大変な思いをして、エッセイを書いても、なかなか受賞の対象とはならない。娘が高校のシニアの時には、私自身、ステージママではないが、あちこちのスカラーシップの締切日をリストアップして、娘にフーフーいわせてエッセイを書かせた。

というのも、それからの大学の授業料がかなり高いものだったことによる。娘は結構、親の言うとおり、申し込み書を書きながらも競争率がはげしいので、中には(It’s not worth it)と申請を放棄したものもある。

ここでのスカラーシップ選考基準は学業よりもコミュニティーサービスに重点がおかれることから考えると、その学業をいかに社会に還元しているかを見るためなのだろう。その点、日本とずいぶん違う。学問だけが遊離することなく、社会での働きがあっての学業なのだとつくづく思わされた。

また、UC(カリフォルニア州立大学)ではA大学ではレベルが高くてメリットスカラーシップ(家庭の経済状態にかかわらず、優秀な子に与えられる種類の奨学金)の対象とならない子でもその下のランクのB大学ではトップにあたるということで、そこでのスカラーシップがもらえるというように、レベル別のシステムも面白い。驚いたことには、GPAが2.5以上などという、かなり、学業が下の人にもチャンスがある。

また、私立大学ではきてもらいたい優秀な生徒、あるいはスポーツ選手には、大学のレベルを保つために授業料の大部分をスカラーシップとして出して勧誘する。

日系社会での奨学金

一般のスカラーシップとは違うが、娘がいただいた奨学金の中で、日本人のしかも個人がスポンサーの奨学金があった。

今年も北加の邦字新聞にこの河府日本語奨学金の記事が出ていた。2年前と3年前に、その授与式に参加した時のことを思いだした。娘はちょうど日本語学校でクレジットクラスをとりだしていたので応募したのだが、授与式に行ってみたところ、応募した者全員がいただけたことを知り、感激した。

日本語を学ぶ子供達にはどの子にも出してくれるということだった。 出してくださっている河府氏は授賞式の時お会いしたら、一世の品の良い白髪のおじいちゃま。長らくガーディナ―(庭師)を生業とし、今はリタイヤーしている。

もう八十近いお年ではないだろうか。娘がジュニアの時にいただいた額は少なかったが、大学に行く年にいただいた額は「大学ではお金がかかるから」と少し多めな額をくださり、怖れ多い思いだった。

自分の孫や身内にばかりお金を残そうとする族(やから)の多い日本人社会で、このすがすがしい、河府氏にお会いできたのはいただくお金の額ではなく、これから、そのお金をいただいて、アメリカ社会で生きていく娘にも大変良い影響を与えたと思う。もちろん、税金対策だといえばそれまでかもしれないが。

また、あちこちに支部のあるJACL(ジャパニーズ・アメリカン・ シティズンズ・ リーグ)の奨学金はその会員の日系人を対象とするのがふつうだが、私の住むこの地の支部ではコミュニティカレッジの生徒をも日系人とはかぎらずに対象にしている。それだけ、日系人も心が広くなってきているのだろうか。

与える側に

友人がすてきなeメールをくれた。彼女の一人息子さんは不慮の事故で、一昨年大学二年の時に亡くなった。前途有望な優秀な青年だった。

生きていれば今年、大学を卒業するはずだった。ご主人の駐在で、二十年ほど前日本から渡米してきて、そのまま、永住されることになったご家族だ。彼女のeメールは次のような内容だった。

「息子を記念して、息子の卒業した、高校で卒業生にスカラーシップを出させていただくことにしました。選考は私達にまかせられているので、ここのところ、その志願者の高校生の方々のエッセイを読むのを楽しみにしています。」

悲しみをここまで、昇華している彼女達の行き方に喝采した。いままで、私も子供にスカラーシップをもらうことばかり考えていたが、彼女に眼をさまされた思いだ。

私達日系人はこれから自分の子供達が生きていくアメリカ社会で受ける側ばかりに立つのではなく、与える側にたっていく人生を考えていくべきだろう。

竹下弘美

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