シンプルライフ

あらゆる生活の煩雑さから逃れる道

先日、サンフランシスコ空港でsimplify your life(生活の簡素化)という小冊子を買った。こちらから日本に一年単身赴任していた夫の任期が終わり彼の引越しを手伝いに行く道中だった。飛行機の中で手軽に読めて、うなずくことばかりだった。

プレッシャーが多く、また物が溢れている現代の生活を簡素化してリラックスしようという趣旨の本であった。

日本でも「思いきって捨てましょう」という本がベストセラーになり、断捨離などという言葉もできた。あまりにも豊満化の時代である。そうだ、帰ったら思いきって物を処分し、シンプルライフを始めよう、という気にさせられた。

またその本には、捨てることの薦めだけではなくあらゆる生活の煩雑さから逃れるいくつかの道も書かれてあった。つまり、このごろのストレスの多い複雑な生活からの逃げ道である。

たとえば、電話が鳴ったからといって答える必要はないとか、芝生を刈るために時間を費やすよりもグランドカバーの植物が多くあるから、グランドカバーにすべきだとか、良いヒントが数多く書かれていた。洗濯や買い物の頻度を少なくすること、友達関係やおつきあいも淘汰すること等など。

特に不要な物は箱に入れてその日付けを書いておき、一年たって、開いていなかったら、中を見ないで処分してしまうこととあった。これはぜひ応用してみようと思う。三年たっても使わないものは処分しなさいということはよくいわれるが、「中を見ないで」というのはいいポイントだ。

いつも見るととっておこういう気になってしまうものである。 不必要に大きな家をもたないこと、そのために労する自分の通勤時間や費用を考えてみてダウンサイズするようにと、アメリカではあまりない発想もあった。

また、一月に一度は何もしない日を作って自分だけですごしてみてはというアドバイスがありプレッシャーの多い生活への対処方法だった。私自身、二人の子供を置いて日本に旅発つ前、かなり神経を使った。やるべきことのリストを作って、ひとつひとつ消していった。

まず、タックスのこと、大学へのファイナンシャルエイドの書類作成とか、自動車ライセンスのためのスモッグチェックをしなければならなかったり。そのリストのほかに予定外にウォーターヒーターの水漏れがおこったり、アメリカ生活とはなんと疲れることか。

それに一家の主人がいないといつも夫にまかせていた自動車の点検などにも気を配らねばならず、この一年疲れはてていた。だから、この本にある多くのアドバイスはストレスをとるのにとても役にたつような気がした。とくに最後に著者が言いたかったことは自分自身にかえりなさいということだった。本当に自分のやりたいことをして生活しているかどうか、他の物にふりまわされていないかどうかという問いかけだった。

夫の単身赴任

夫はこの一年、東京のいわゆる一DKのマンションで過ごしていた。一年だったので、家具はリースしていたし、大して物は増えてはいないだろうとたかをくくっていた。いざ、引越し荷物を作る段階になって驚いた。最小限の台所用品といってもかなりある。

衣類もなんとふえていることか。持って帰って二重になるものは知人にもらってもらったりしたが、結局船荷で大きなダンボール六個にもなった。これがまたカリフォルニアの家の物としてふえるわけだ。もちろん、中の半分はアメリカから持って行って持ち帰るものではあるが、新しく買ったものもかなりあるわけだ。捨てるどころではないではないか。

夫は狭かったが、かなり便利にできているマンション生活を気にいっていた。そして帰米したら、家を処分して、タウンハウスに移りたいとさえ言い出していた。これはあの本にあったことと同じだ。広い家を持つとまた、物もふえるわけだし管理に時間も労力もかかる。

このマンションのお風呂は自動で、温度も水の量も常時一定に保たれるし、部屋の冷暖房も狭いから効率が良い。壁に設置されたラジオから有線放送が流れて、東京にいながらサンホゼのステーションさえ聞くことができた。大人だけの生活にはこれに限る。もうすぐ、息子も大学に出てしまっていわゆるエンプティネストになる私達としてはやはり、家をダウンサイズすべきかもしれない。

帰米する間際に義姉が秋葉原に連れていってくれて、なんでも好きなものを買ってくれるという。「フードプロセッサー、便利よ。」と薦める。でもどの程度私は使いこなすことができるだろうか。「餅つききは?」お餅好きな私としては飛びつくところだった。でも友人が持っていていつも御正月には作ってくれるし…..。なにしろこれ以上、台所用品をふやしたくなかった。

でも日本から電気の魚焼き器を買ってきた人が今ではなくてはならない物になっているといことをきいていたので、これは買ってもらってもいいかなと少し、気持ちがなびいた。でもサイズがかなり大きいし、丸いから、収納に不便だ。そうかといっていつもキッチンカウンターに出しっぱなしにするのはいやだし。ここでも断った。

「ごめん、つまらないでしょう。もう何の物欲もなくなっちゃって。張り合いがないわよね。」と義姉に謝った。あの本にかなり影響されていたかもしれない。

夫、子供、猫はとっておく

北加の家に帰ってきた夫の第一声は「やっぱり、広い空間があるのはいいな。」このぶんだと家をダウンサイズするのはいつになることやら。また、あと二週間もすると、六個のダンボール荷が着く。どうしよう!!ガレージにおいて、一年間開かないかもしれない。

よし、その荷が着く前に今ある物を捨てよう。夫、子供と猫は捨てないけれど、それだけで、十分だ。天国には何も持っていけないのだから。

竹下弘美

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